家づくりコラム
2021年05月25日
【解説】地鎮祭に鯛を供える理由とは?買い方や処理と食べ方まで紹介
家を建て始める前に、更地の状態で地鎮祭を行います。地鎮祭では鯛を供えることがありますが、なぜ供えるのでしょうか。また、地鎮祭用の鯛の買い方や祭事が終了した後の処理の仕方・食べ方についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
地鎮祭に鯛を供える理由は?
地鎮祭は、元々は家を建てる土地に住んでいる神様を祀る意味合いのある神事です。地鎮祭を行うことで、次の3つを神様にお願いします。
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これから住宅を建てるということを神様に報告するため
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工事中に事故が起こらないことを願うため
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立てた家と家族の繁栄を願うため
地鎮祭では、お米とお酒、水、塩に加え、海の幸と山の幸、野の幸も用意してお祈りします。
海の幸としては鯛を選ぶことが一般的です。おめでたいイメージがあるため、地鎮祭のような祭事にはふさわしいといえるでしょう。
ちなみに、山の幸としては柿やりんごなどの季節の果物、野の幸としてはトマトやカボチャのように地面の上に実る野菜と、大根やニンジンのように地面の下に実る野菜を供えます。
地鎮祭の鯛の買い方と選び方
地鎮祭用に特別な鯛があるわけではありません。普通にスーパーや魚屋さんで売られている鯛の中で、新鮮でおいしそうなものを選べばOKです。
地元のスーパーや魚屋さんで予約購入する
ほとんどのスーパーや魚屋さんでは鯛を刺身や切り身などの形で加工して販売するため、一尾まるまるを販売していないことがあります。しかし、事前に予約をしておけば、加工する前の姿で残しておいてもらうことが可能です。
魚屋さんにも仕入れの予定があるため、できれば1週間ほど前に予約をするようにしましょう。
なお、地鎮祭の時間に合わせて、余裕をもって鯛を受け取ります。午前中に地鎮祭を行う場合は、前日までに魚屋さんに取りに行き、冷蔵庫に入れて保管しておきましょう。
また、魚を持って行くときも、必ずクーラーボックスに入れるようにしてください。生魚はすぐに腐ってしまうので、せっかくの鯛を後でおいしく調理するためにも、常に冷所で保管するように注意しましょう。
インターネット通販でも購入できる
お近くのスーパーや魚屋さんで予約販売に対応していない場合や、忙しく、お店に出かけるのが難しい場合には、インターネット通販も利用してみましょう。「地鎮祭 鯛 通販」などで検索すれば、指定した日に地鎮祭用の鯛を配送してもらえます。ただし、冷蔵便での発送となるので、魚代とは別に送料として1,000円程度かかることがある点に注意してください。
また、配送地域によっては、追加送料が発生することもあります。いくつかのインターネットショップで鯛を比較するときは、送料も含めた料金でチェックするようにしましょう。
30cmで1kg程のサイズを選ぶ
地鎮祭用の鯛のサイズは30cm、1kg程度のものが一般的です。親族や親兄弟などを地鎮祭に招待する場合は、40~50cm、2~2.5kg程度のもう少し大きめの鯛でも良いでしょう。
ただし、サイズが大きくなると後で処理する際に手間が増えるだけでなく、価格も高額になります。予算を決めてから、無理のない範囲で購入するようにしてください。
養殖か天然かで選ぶ
鯛は天然か養殖かによって値段が大きく変わります。30cm、1kg程度のものならば、養殖は1,000~2,000円、天然は3,000~5,000円が目安です。地鎮祭だから天然でなくてはいけないということはないので、予算や魚屋さんのおすすめを参考にして選びましょう。
地鎮祭の鯛の処理と食べ方
地鎮祭が終わると、神様のお下がりとして供えた食べ物はおいしくいただきます。ただし、お供えを施主が用意しない場合は、神主さんや工務店などの用意した人が持って帰るケースもあります。
施主がお供えを持って帰れる場合は、自宅で調理することになるでしょう。調理法は特に問われませんが、地鎮祭は住宅に火事が起こらないように祈る祭事でもあるため、地鎮祭に使用した鯛を焼くことは火事を連想するのでNGとされていることが一般的です。
なお、加熱調理全体がNGというわけではなく、焼くという行為のみが良くないとされているので、煮たり蒸したりして食べることは問題ありません。
新鮮なら鱗の処理をして刺身で食べる
鯛が新鮮で、なおかつ気温が高くないならば、鱗の処理をして刺身で食べるのもおすすめです。以下の手順で処理をしましょう。
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背びれや尾ひれなどのひれをすべて包丁か調理用バサミで切り落とす
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鯛がすっぽり入る大き目のビニール袋に入れる(鱗が周囲に飛び散らないようにするため)
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大きめのスプーンを裏返し、しっぽから頭に向かって一方向で鱗をこそげ落とす
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冊に切り分け、好みの厚さに切る
3枚におろした後で鯛めしにする
鮮度に自信がないときは、加熱調理するほうが良いでしょう。鯛を3枚におろし、次の手順で鯛めしにしてみてはいかがでしょうか。
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土鍋に洗ったお米3合とだし昆布10cm、水700mlを入れて30分ほど置く
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鱗を取って3枚におろした鯛のアラ以外全部、醤油大さじ3、みりん大さじ1、料理酒大さじ1、塩少々を入れて炊く
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ざっくりと底から混ぜて、おこげが均一に混ざるようにする
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鯛の身がまんべんなく入るようにお茶碗によそう
アラはうしお汁にする
残ったアラはうしお汁にすると、鯛をすべて食べつくせます。次の手順で作りましょう。
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アラを食べやすい大きさに切る
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ボウルにアラと粗塩小さじ1程度を入れてしっかりと混ぜ合わせ30分ほど置く
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ボウルに熱湯を注ぎ、ざっくりと混ぜてぬめりを取る
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お湯を捨て、水を入れて、しっかりとアラを振り洗う
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鍋に適量の水と洗ったアラ、昆布5cmほどを入れて弱めの中火で炊く
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アクをしっかりと取り、さらに弱火で10分ほど炊いて、塩で味を調整する
地鎮祭の鯛について知っておきたいあれこれ
地鎮祭の鯛を購入する前に知っておきたいことをいくつか紹介します。
工務店が供物を用意してくれる場合もある
工務店の中には、地鎮祭の供物を用意してくれるところもあります。鯛だけでなく、山の幸や野の幸、塩、お酒、お米など数多くの種類の供物をまとめて用意してくれるため、忙しい方には助かるのではないでしょうか。
また、鯛は上手に選べても「お酒はどの程度の価格が良いのだろうか」「サイズは?包み方は?」「野菜はどの程度の量を用意するの?」といった疑問が浮かびます。工務店が用意してくれるなら、すべての供物を一任できるので、悩む必要もありません。
魚屋さんで1,000円ほどで処理を依頼できる
魚の処理に慣れていない方にとっては、鱗を取ったり3枚におろしたりするのは、かなりハードルが高いでしょう。慣れない刺身用の包丁を使ってケガをするのも困るので、無理は禁物です。
難しそうな場合は、魚屋さんにお願いしてみてはいかがでしょうか。鯛のサイズにもよりますが、1,000円ほどで3枚におろしたり冊にしたりしてもらえることがあります。
工事の無事を祈り地鎮祭の鯛をいただこう
地鎮祭は住宅を建てるときの重要な神事です。滞りなく行い、工事の無事と家の繁栄を祈りましょう。地鎮祭が終わったら、お下がりの鯛をおいしく食べるのも楽しみのひとつです。神様に感謝しつつ、海の幸を味わってください。