家づくりコラム
2023年08月05日
ZEH(ゼッチ住宅)のメリットとは? デメリットや補助金制度も解説
ZEH(ゼッチ住宅)とは、消費エネルギーと創出するエネルギーの収支が年間でゼロになることを目指す住宅のことです。光熱費の削減につながるだけでなく、多くのメリットがあります。実際にどのようなメリットがあるのか、またデメリットや補助金制度についても解説します。
目次
ZEH(ゼッチ住宅、ゼロエネルギーハウス)とは?
ZEHの条件
ZEHの種類
ZEHのメリット
光熱費の削減につながる
二酸化炭素の排出を抑制できる
住宅の快適性が高い
災害時に対応しやすい
ZEHのデメリット
発電量にムラがある
メンテナンスの費用がかかる
建築費用が高額になることもある
ZEHに適用される補助金制度
ZEH補助金の申請手順
ZEH(ゼッチ住宅、ゼロエネルギーハウス)とは?
ZEHとはnet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)のことで、「ゼッチ」や「ゼッチ住宅」と呼ばれています。電気代が高騰しているなか、消費電力を抑えられる住宅として注目を集めています。ZEHとは何か、また、どのような種類があるのか見ていきましょう。
ZEHの条件
ZEHとは、年間のエネルギー収支(エネルギー消費量とエネルギー創出量の差)がゼロになることを目指す住宅です。主な特徴としては次のものが挙げられます。
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断熱性能などを向上させることで高効率なエネルギー消費を実現
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太陽光発電システムにより再生可能エネルギーを創出※
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室内環境の質にこだわる
2014年の閣議決定では、2020年までには標準的な公共建物の仕様が、2030年までには新築住宅の平均的な仕様がZEHになることを目指すことが発表されました。今後はさらにZEH住宅が主流になっていくと考えられます。
※ZEH Orientedでは創エネは必須条件ではありません。
ZEHの種類
ZEHは、エネルギー消費量の削減効果によって次の種類に分けられます。種類によって適用される補助金制度などが異なる点に注意しましょう。
ZEHのメリット
ZEH住宅には次のメリットがあります。
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光熱費の削減につながる
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二酸化炭素の排出を抑制できる
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住宅の快適性が高い
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災害時に対応しやすい
それぞれのメリットについて見ていきましょう。
光熱費の削減につながる
ZEHは高い断熱性と気密性を備える住宅です。気候の影響を受けにくく、エアコンなどにより快適に整えられた温度・湿度を維持しやすいため、空調関連の光熱費削減を目指せます。
また、太陽光発電システムを導入しているZEH住宅であれば、住宅内で使用するエネルギーの一部を自家発電するため、さらに光熱費を抑えられるでしょう。
二酸化炭素の排出を抑制できる
化石燃料を使った火力発電により、日本の電力の7割以上が産出されています。高断熱性・高気密性を備えた住宅なら電力会社から購入する電力量を抑えられるため、二酸化炭素排出の抑制が可能です。
また、太陽光発電システムを使っている場合なら、自家発電による電力は二酸化炭素の排出をほとんど伴っていないと考えられます。地球温暖化防止のためにも、二酸化炭素の排出を抑制できるZEH住宅に注目してみましょう。
住宅の快適性が高い
ZEHは気密性が高く、建物内の温度を一定に保ちやすい住宅です。家全体が快適で、過ごしやすい点もメリットです。
また、室内の温度差が少なくなることで、冬場も浴室や脱衣室の温度が下がりにくくなります※。ヒートショックも起こりにくくなるため、高血圧気味の方も安心して暮らせます。
※浴室や脱衣室の窓を解放し、外気を取り入れている場合はこの限りではありません。浴室・脱衣室を使う前に窓を閉め、適温に調整しておきましょう。
災害時に対応しやすい
太陽光発電システムを導入し、創エネできるZEH住宅であれば、送電が止まったときでもある程度の電力を確保できます。また、蓄電池システムのある住宅なら、悪天候のときや夜間でも電力を確保でき、さらに安心です。
災害はいつ起こるかわかりません。万が一に備えるためにも、ZEH住宅を検討してみましょう。
ZEHのデメリット
メリットの多いZEH住宅ですが、いくつか注意すべきポイントがあります。とりわけ次のポイントは、デメリットになるかもしれません。
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発電量にムラがある
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メンテナンスの費用がかかる
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建築費用が高額になることもある
それぞれの注意点について説明します。
発電量にムラがある
ZEH住宅の創エネは、基本的には太陽光発電によっておこなわれます。発電時に二酸化炭素がほとんど排出されず、なおかつ再生可能エネルギーのため、エコロジーの観点から見れば優れています。
しかし、太陽光発電はコンスタントに電力を生み出せない点に注意が必要です。たとえば梅雨時期などの悪天候が続くときは、発電量があまり得られません。また、日照時間が減る冬場も発電量が減る可能性があります。そのため、月によって電気料金に大きな差が生じると考えられます。
メンテナンスの費用がかかる
太陽光発電システムや蓄電池システムは、定期的な点検やメンテナンスが必要です。点検やメンテナンスは専門の業者に依頼して実施するため、1回あたり1万~2万円程度かかります。最初の数年は保証サービスなどで無料点検を実施してもらえることもありますが、保証期間終了後は実費がかかる点に注意しましょう。
また、太陽光発電システムはパネルが汚れていると発電量が下がるため、定期的な洗浄が必要なケースもあります。自分でできるケースもありますが、パネルを傷つけてしまうことや屋根から落下する危険性もあるため、設置業者などに依頼するようにしましょう。
なお、パネルによっては自浄作用があるものもあります。太陽光発電システムを導入するときは、メンテナンスにかかる費用や保証サービス、洗浄の必要性についても確認しておくことが大切です。
建築費用が高額になることもある
ZEH住宅には、断熱性能に優れた床材や天井材、壁材などが欠かせません。また、トリプルガラスや全館空調システムなども導入し、さらに快適性を追求します。太陽光発電システムや蓄電池システム、HEMSなどのさまざまなシステムも導入することもあります。
高性能の資材は一般的な資材よりも費用が高く、建築費用全体が高額になる点に注意が必要です。一つひとつの差額は少なくとも、床材や壁材は大量に必要なもののため、トータルで見れば建築費用が大きく変わります。また、蓄電池システムやHEMSなども高額なため、システムや設備を充実させればさせるほど建築費用は高額になってしまいます。
ZEHに適用される補助金制度
ZEHは一般的な住宅よりも建築費用が高額になりますが、補助金制度を活用することで費用を抑えられることもあります。
経済産業省と環境省では、ZEH補助金制度を実施しています。年度ごとに制度の内容や公募期間が変わるため、こまめにホームページを確認してください。
一例として2023年のZEH補助金制度の概要を紹介します。
また、自治体によっては独自の補助金制度を実施していることがあります。建築前に申請することが一般的なため、建てる前にお住まいの自治体に問い合わせてみてください。
地域の工務店に住宅建築を依頼する場合なら、補助金制度についての情報も熟知している可能性があります。ぜひ担当者にも相談してみましょう。
環境共創イニシアチブ|経済産業省及び環境省による戸建ZEH補助事業
ZEH補助金の申請手順
ZEH補助金を活用してZEH住宅を建てるときは、以下の手順で申請します。
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ZEH認定プランナー・ビルダーに相談
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補助金申請
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実績報告書の提出
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補助金受給
ZEH補助金は、ZEH認定プランナー・ビルダーを経由して申請することが必要です。ZEH住宅を建てる前に、依頼する工務店などがZEH認定プランナー・ビルダーであることを確認しておきましょう。
なお、ZEH認定プランナー・ビルダーかどうかは、工務店などに直接問い合わせることで確認できますが、環境共創イニシアチブのホームページからでも検索できます。ぜひチェックしてみてください。
環境にやさしいZEHに注目しよう
ZEHは二酸化炭素の排出を抑制できる地球にやさしい住宅です。また、消費エネルギーの削減にもつながるため、高騰する光熱費を少しでも抑えたい方も、ぜひ検討してみましょう。
ZEH住宅は、ぜひインゾーネにご相談ください。インゾーネはZEHプランナー・ビルダーの認定を受け、都市型狭小地向けのZEH Orientedの建築に対応しています。快適かつエコロジーな生活を目指す方も、お気軽にお問い合わせください。